2019年2月16日 ブログ

土間のある暮らし

日本の家で「床」といえば、畳、板間、土間があります。
かつては武家屋敷も、町家も、農家や庶民の家も、家の中は座敷と板の間と土間に三分割されていました。とくに土間は庶民や農民、商人の家には欠かせないもの。作業場や通り庭として使われ、外から帰ってからも下足のまま自由に使える空間として大変重宝されました。今的に言えば、ONとOFFをゆるやかにつなげる万能空間、といった感じでしょうか。

「今の時代に、土間?」と思われるかもしれませんが、最近は、玄関ホールや廊下を作らず、土間を作って上手に楽しむ若い施主さまも増えています。趣味のスペースにしたり、ゲストと気軽にお茶を飲むアウトリビングとして使われる方もいらっしゃいますし、ペットと暮らす家族なら、お散歩からの汚れを気にせず、家の中で一緒に過ごせます。家庭菜園のある住まいなら、採ってきた野菜を広げておくこともできます。小さなお子さんのいるご家庭も、三輪車やベビーカーもそのまま置くことができますし、雨の日もここで遊べて子どもたちもストレス知らず。使わないときは障子を閉めれば外の空間となります。住む方の数だけ、使い方もさまざまです。

いろんな住まいのかたちがある中で、真に日本の環境に、日本人の暮らしに合う住まいはなにか。試行錯誤を重ねた私たちが辿り着いた答えは、原点に戻ることでした。年月を重ねれば重ねるほど、深味を感じられる大工の手仕事。心も体も健やかに過ごせる木の住まい。そして、土間から広がる楽しい暮らし。ぜひ、展示場で体感ください。